産まれたこと
出会えたこと
今そばにいれることありがとう
まっすーのハッピーバースデー
1年に1度の魔法特別な日
ということです。さあ増田さんの誕生日記事だ〜！お祝いだ〜！ということで何書こうかなと思っていたのですが、この間書いた水泳の授業に来る増田先生が控えめに言って最高だったので続きというかもうちょっとちゃんと書こうかなと思います！水泳苦手な女の子の設定で。またそれかよって思うかもですがアホの妄想にもうしばしばお付き合いください。
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またこの季節がやって来る。
軽い足取りでプールに向かうみんなとは反対に追いかける私の足取りは重い。
25メートル泳げない私は水泳の授業がすごく苦手だった。前はみんな変わらなかったのに気づいたら泳げないのは基本私だけになっていてプールではいつもひとりぼっち。寂しくて仕方なかった。
「こちら入院でお休みの△△先生に変わって1ヶ月間指導をしてくれる増田先生です。」
「こんにちは、増田です。短い間ですがよろしくお願いします。」
若くてかっこいい先生にみんなから歓声が上がる。私もかっこいいなぁ〜とは思ったけど水泳が嫌なことは変わらなかった。
「とりあえず50メートル泳げない子は1コース行って〜。増田先生が付くから〜。」
正直嬉しかった。こういうかっこいい先生は上手い子の方に行くのかと思っていたから。そうこうしているうちに増田先生がこっちに来た。
「じゃあ始めるね〜！お願いします！」
『お、お願いします』
増田先生は私と泳げない数人の子たちに気さくに話しかけてくれた。私もぎこちなく挨拶を返す。
「じゃあ、まずはバタ足の練習から」
そう言って増田先生はプールに入った。
「俺が先泳いでみるから見ててね〜」
そう言って泳ぎだした。その瞬間とにかく驚いた。
『速い…』
びっくりするほど速かった。無駄のない動きは美しかった。ただただ見とれて増田先生を目で追った。私たちは驚きを隠せなかった。
「OK？やってみるよ〜」
いや、無理でしょと思いつつ私も後に続いてプールに入った。見よう見まねでバシャバシャと泳ぐ。
増田先生の横を通る。怒られないかなと心配していると耳元で声が聞こえた。
「ちょっと支えるね。」
そう言って先生はさっとお腹を支えて軽く持ち上げた。予想外の展開にちょっとびっくりしたけどそれ以上にびっくりしたのはこの姿勢だとすごく泳ぎやすい。どうやら泳ぐ時にお腹が沈んでいたらしい。突然触れられたドキドキとちょっと泳げるようになった衝撃で何がなんだかわからなくなった。でもとても嬉しかった。
それから水泳の練習が楽しみになった。そして何度か練習を重ねてついにタイム測定の日が来た。正直な話、私の目標は早く泳ぐことでは無く50メートル泳ぎ切ることだった。実際練習では1度も泳ぎきれなかった。
そしてついに私の番。一生懸命に泳いだ。増田先生から言われた姿勢とか水のかき方とかを思い出しながら。すこしずつゴールの壁が見える。最後の力を出しきり壁にタッチした。
『泳げた…』
プールから上がると背後から声がした。
「お疲れ〜、○○さん」
『名前知ってたんですか？？」
「名前覚えるくらい当たり前でしょ笑 てか、最後まで泳げたじゃん！！！」
『ビリでしたけどね笑』
「俺は今まで50メートル泳げない子が一生懸命練習して泳げるようになったことがすごいことだと思うよ。毎回頑張って練習していたから泳げるようになってほしいなーって思ってたし」
『ありがとうございます』
「俺のおかげかな笑」
『もちろん！増田先生が来てなかったら泳げてないと思いますよ』
「いやそこは突っ込んでよ笑」
何気ない会話も楽しい。ずっとこうしていたい。そう思った。
「まぁ、とりあえずお疲れ様」
そう言って差し出された増田先生の大きな手。私はそっとハイタッチを返した。高鳴る鼓動を感じながら。
終業式
夏休みが終わると元の先生に戻るので増田先生に会えるのはこれで最後になる。ここまで来るともう増田先生が好きなことは自分でも分かっていた。でも相手は先生。告白するのは正しいのかわからない。ただ
『このままでいいのかな…』
「○○さん、何してるの？」
『ふぇ？増田先生！！』
ナイスすぎるタイミングに変な声が出た。
「そんなに驚かせちゃった？？ごめんね？」
『ぼーっとしてたんで突然声掛けられて変な声出ちゃいました笑』
「逆にこっちがびっくりしたよ〜」
明るい雰囲気になって助かったけどここで私はどうすればいいんだ？こういうときに限って何も出てこない。でも今好きって伝えなきゃもう会えない。何か言わないと…えっと、えっと
「そういえばさ、本当に水泳上手くなったよね。びっくりするくらいフォーム変わったもん」
何を話すか浮かんでいなかったので話が繋がってありがたい
『泳いでいる方は気づきませんでした笑でもまさか50メートル泳げるようになるとは思ってませんでしたけどね』
「そう？○○さんは頑張り屋さんって言うと子どもっぽいけどそういう努力する人だなぁと思ってたから努力が報われた気がして本当に嬉しい」
『なんか…照れますね笑』
また沈黙
どうしよう、どう切り出そう。もう勢いに任せるしかない。
『あの、先生！』
「ん？」
『えっと、あの〜』
『好きです！』
また沈黙が流れる。もう緊張でどれくらい経ったのかもわからなくなったころ、声が聞こえた。
「ありがとう。でも俺奥さんがいて奥さんのことが好きだから気持ちには応えれないんだ。ごめんね。話してくれて嬉しかったよ」
予想通りの結果だった。けどまさか結婚しているとは思わなかった。返し方がまたわからなくなる。また強引に進めてしまった。
『こちらこそ私の話聞いてくれてありがとうございます、それじゃまた』
「うん…じゃあね！！」
突然話を切ってしまって増田先生は驚いているだろうけど私は早くここから立ち去りたかった。
その日の帰り道、電車の中で1人で泣いた。泣くつもりなんてなかったし、付き合えるわけないって理解してたはずなのに。涙は音をたてることなく頬を伝う。初めての失恋だった。
恋をしたたった一度の季節
そのまま永遠のままに…
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いかがだったでしょうか？？
想像以上に切ない展開になって作者シンプルに驚いています！それはいいとして改めて
増田さん誕生日おめでとう！！
